コーラルプリンセス・1971から日本起点東アジアクルーズの女王-クルーズ-まぐろぐ

コーラルプリンセス・1971から日本起点東アジアクルーズの女王-クルーズ
1万トンの青年の船・コーラルプリンセスの、
1985・昭和60-02-06・第十六回ジュニアリーダー研修団、
男女青年400名の夢と希望を乗せた研修航海記の一部です。

次いで、北の漁師の流儀-
と筆を進めます。

☆ 船出
 ○「船は帆まかせ帆は風任せ 時化は極楽凪こそ地獄」
 - 人類が計画的に大洋航海できるようになったのは、
  わずかここ百数十年のことである。
  
  ままならなかった帆船時代の航海事情を、
  問わず語りに伝えている。
  
 - また当時の人類は、
  食料保存について知識も経験も持たなかった。
  
  このため大洋航海では、
  栄養のバランスを崩して、
  犠牲者の出るのは当然のこととされていた。
  
☆ コーラルプリンセス初代
- この船は1962 建造された英国籍9639トンの、
 純クルーズ型客船である。
 


 
 設備、乗客サービス、安全基準など、
 "英国ロイド船級協会"登録の国際的一級レベルを誇る。
 全長146m 全幅18.4m 航海速力17knot 乗客数520名 乗組員145名。
 
 全船室、専用バスまたはシャワー、それにトイレ付き、
 エアコンディションを施してあり、
 "フィンスタビライザー"も装備。
 
 8万8,000トン新コーラルプリンセス-バナマックス・サイズ






 
 ○船長は24時間スタンバイ
 - 部下の錯誤があっても事故を起こしたことに対して、
  Cap'tが最終責任を免れるわけではない。
  
  またCap'tは、単に船の運航面だけでなく、
  "セールスサイド"についても考えなければならない。
  
  このためCap'tは、たまに食堂に入ってきても、
  乗客が食事をどのくらい食べているかを、
  自分の目で確かめると共に、ボーイ長に質問することも。

☆ グローブス船長・モットー・Cap'tのリーダーシップ
 - 生まれつきリーダーの素質を持っている人は少ないと思う。
  "東郷元帥、ネルソン提督はべつとして、
  大方のリーダー達は経験を積み重ねてリーダーになっている。
  
  私が特に心がけていることは、明るい職場作りである。
  そして私はいつも冒険を避けて、
  安全に目的港に着く妥当な方法を選んでいる。
  
 - 私の好きな言葉は、
  
  "最悪を予期するも、それでも最良を望む"である。

引用 松永市郎 「続先任将校」軽巡名取短艇


☆ 民間外交と船上慰霊祭
 ○一に『皇室外交』二に『練習艦隊・練習船の入港訪問』
  知る人ぞ知る外交の極致は、
  "天皇陛下の外国訪問"が聞こえてくる、
  次に練習艦隊の寄港がよくいわれている。
  
  プレゼンスのかけらもない航空機は×。
  
  在留邦人の歓迎たるや微笑ましくもありがたい一場の風景だ。

  この光景が"練習船教育"のベストとなりましょう。

 ○船上の慰霊祭
  -人知れず静かに花束などを、
  妙齢の女性が衣服を調え涙して投じるさまは、
  先の大戦の遺族なりや?

-戦前派と戦後派の乖離について
  価値観の多様化とか、親子の断絶といわれている。
  
  また、豊かな世相、そして恵まれた家庭に育った人達が、
  他人の心の痛みに関心を持たないのはやむを得ない一面もある。
  
  ところが、研修団の青年達も仲間の心の痛みに同情涙した。
  戦後の青年の中にも戦前の講師達同様に、
  他人への思い遣りの気持ちがあることが分った。


☆ 「初認・ダイヤモンドヘッド-ホノルル」-命名の由来
 ○内地・三浦三崎を船出して十三日、
  そろそろ見えるぞあのダイヤモンドヘッドの埼。
  
 - あれがそうか、聞いてはいるがあの山の姿。
  ダイヤモンドヘッド辺りの土壌の中に含んでいる物質は、
  太陽光線の具合でピカーット光ることがある。
  
 - ところで帆船時代の船乗り達は、
  あのピカーット光る光を見て、
  やれやれ一命拾ったと、
  随喜の涙を流していた。
  
  そこで当時の船乗り達が、
  あのピカーット光る光は、
  人類最高の宝物ダイヤモンドの輝きに匹敵する、と。
  
  空の旅が海外旅行に主流になっている今日、
  その命名の由来を知るものは少ない。

☆ 行脚・ゆきあし・イナーシャ(惰力)-北の漁師の流儀
 - 船は機械を止めてもブレーキはないし、
  船がそのポイントでただちに止まるわけでもない。
  機械を止めてから船が進むことをいう。
  
 ○「行脚が強い」という言葉
 - 例えば、酒など飲んであるいはトラブル気味の振る舞いが、
  なかなか丸く収めないこと。またはその人。
  
 - ≪沈香もたかず屁もひらず、そのような男では、
  船乗りは勤まらないぞ≫
  
  青春時代ぼんやり聞いていたこの話、
  中年になって反芻してみるとなかなか味わいがある。
  
  平素よく仕事をしていないと、
  入港して酒を飲んでよい状態になっても、
  酒を飲む気分になれない。
  
  人生談義としては含みのある言の葉である。

☆ 船旅の本質
 ○陸になくて船旅にあるもの
 ・四六時中一緒に暮らして、寝るのも食べるのも一緒。
 ・大勢が狭い船内にいて他人への思い遣りを持った。
 
 ・旅行代理業の発達は陸と空の旅から苦労を奪った。
  現代人は旅による"人生体験"の機会を失ってしまった。
  
 ・船旅にはやはり苦労が残っている-"時化"
  ≪旅は道連れ世は情け≫
 
  ≪遠い親戚より近くの他人≫
 
  クルーズは実感としてこの格言を味わう。
 
 ○陸にあって船旅にないもの
 ・陸では○○大学、○○社勤務、父親は市長などと、
  相手の背景を意識している。
  
  団員名簿には各自の住所と電話番号が書いてあるだけ。
  だから背景を知らずに交際していた。
  
 ・陸では誰でもマスコミのニュースを求め、
  それを仲介とした会話をしている。
  
  船旅ではニュースもなければ邪魔も入らない。

13万8000トン・Voyager of Seas-クルーズ


まぐろぐ
H25 2013-04-06 1410